石川県議会議員 盛本芳久

盛本さんにエールを送ります

昨日、時間の都合がついたので、盛本芳久さんの「わいがやセッション「子ども・未来」2009-1に参加した。

『教育格差。子どもの貧困を考える』と題された講演は、豊富な資料のもとで、日本の貧困の実体が明らかにされて、ここまで来ているのかとやるせない気持ちになった。

最後に、討議の時間があって。ご老体も少し発言をさせてもらった。

今日の資料の中での数字は、大まか、想像のできる範囲であったが、たった一つ、想像もしていなくて、衝撃であった数字がある。
それは、『1990年度2006年度の主な国税収入の比較』である。

1990年の国税収入が消費税を入れて、50兆円であるのに対して、2006年度が36兆円であるという数字である。消費税が地方に組み込まれた事実があるが、それを補正しても39兆にしかならないという事実である。10年で10兆円の税の減収だ。

この事実を前に、何を考えればいいのだろうか。 それの討議が早急になされることが必要だと思う。

ご老体が、この事実の中で感じたことは、ネオリベラリズムは、新自由主義は、国家の予算まで手中にし始めたのではないかということである。銀行利子が、0.2%前後であるのに、国債の利子が10年物で約2% 。国債を保有する層は、多分、国民の1割にもみたないだろう。その彼らに、国民の税が、利子として補給される構造が出来上がったのではないか。

国は借金まみれと言い、そのために、社会の安全と安心、教育制度も思うようにできないと嘆くが、実は、借金まみれの方が、税金を私的に使うに、都合のいいシステムがうまれたのだと考えることはできないか。

 ご老体は、これからは、<税金は安ければ安いほどいい>という視点から、<高くてもいいが、それに見合う政策を採れ>という方に意識をスライドさせなくてはならないと思い始めている。

社会組織の維持は、コストがかかること、高い収入を得るものは、それだけ社会から恩恵を受けているのだから、当然その分を社会に還元すること、そこから始めるべきとおもう。

累進課税の逓減が、この社会を崩壊させた元凶だというべきだ。

これからは、税の使い道も問題にするが、むしろ、入るべき税そのものをも問題にし、社会と、個人のつながりを、考えてみるときがきたと思う。社会とその構成員の中に、競争原理を持ち込むことを許さず、私的な利害関係を持ち込むことを許さず、生きることが、自分の才能の開花として、あるようになればいい。

会場で、どなたかが、今の盛本さんの講演を、300人 400人に聞かせたいとおっしゃていたが、ご老体もそう思う。

新聞の記事も大事だが、今日のように、人の声を通じて学ぶことがいかに大事か。盛本さん、頑張ってください。

                                          自称「ご老体」さん より