自立とは多数の他者に依存できる状態/新自由主義と教育

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 教職員組合の学習会で,北陸大学の小南浩一さんの講演を聞く機会を得ました.「資本主義社会を生きる - 労働と教育をめぐって」という演題です.

 現在の社会を覆う格差の拡大と貧困の増大,このような状況に追い込んできた新自由主義の政治と経済,この渦中にあって教育・福祉・労働をどう考え,新しい社会をどのように構築していくかについて,明快な分析と提言を聞くことができました.

 新自由主義による政治の実践者として有名なサッチャーの言葉「社会などというものは存在しない.存在するのは男,女という個人だけだ」が示す通り,それは現実になっています.社会は崩壊が起こっていると言っていいと思います.無縁社会とか無縁死という言葉も出現しています.
 小南さんの紹介した言葉「自立とは多数の他者に依存できる状態,隷属とは少数の他者に依存せざるを得ない状態」がそれを端的に表しています.社会を形成し,そこに多くの人間関係を築くことなく,ばらばらになった個人が,あとは強い国家を求め,それにつながろうしているとも指摘されました.

 この根本には,人間が経済的に共通のスタートラインに立っていないという現実があります.
 かつての日本社会のように終身雇用・年功序列のなかで,かなりの部分を企業が担い,支えてきた福祉はもうないと言っていいのです.すべてをガラガラポンするため,「希望は戦争」と本気で言う若者をつくり出さないよう,教育を含めた「人生前半における社会保障」の強化,また,すべての個人に最低限の所得を補償するベーシック・インカムの考え方も真剣に議論する必要があるでしょう.

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2011年8月

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2009.3.27countup