新聞も取り上げました/外環状海側幹線を考える

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 12月議会で取り上げた,外環状海側幹線本線部の土地暫定利用,4月13日北陸中日新聞が取り上げました。

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 この道路を考えることは,これからの日本と石川の道路の行く末を考えることになります。

 道路をつくれば,便利になり車の流れが変わります。これまでと違う場所が渋滞してきたりもします。新しい道路によって,ほとんど車が通らなくなる道路は注目されませんが,新たな渋滞は問題となり,また新しいバイパスや立体交差などが必要だという声になります。これが,道路建設・整備のきりがないところ,エンドレスです。土木行政も建設業者も社会資本整備というみんなに喜ばれる重要な仕事だと疑いなく事業を進めます。

 どこかで考え直さなければ,どれだけ税金を集めても無理です。我慢することも必要になってくるでしょう。新しい開発から,人間の安心につながる公共事業(道路補修,河川整備,公共施設の耐震化,保育所や特養ホーム建設など)に行政も建設業もシフトしていかないといけません。そのような問題提起をしたつもりです。

外環状海側幹線にソーラーパネルを
 http://www.molimoto.com/blog/2009/12/post-88.html

2009年12月定例会一般質問の内容 続き ↓

質問

さて,国家予算において大きな割合を占める公共事業にもメスが入ろうとしています。「コンクリートから人へ」をかかげる政権とすれば当然でありましょう。OECD統計によれば,日本の公共事業費は,対GDP費6.0%で世界一,アメリカの3倍,ドイツやイギリスの4倍になっています。戦後の復興期ではなく,今です。一方,教育費はOECD最下位,社会保障費はアメリカに次ぐワースト2です。

 仕分け作業では,道路整備事業1.2兆円の整理・削減が指摘されました。日本は世界一の道路王国です。可住面積当たりの全道路延長は,2位のイタリアの4倍,アメリカの7倍にも達しています。しかも,この数字には農道や林道は含まれていません。

この日本の道路建設は,当然のことながら,税金によって支えられてきました。1953年の道路整備費の財源等に関する臨時措置法,55年地方道路税,56年軽油引取税,66年石油・ガス税,68年自動車取得税,71年自動車重量税,74年暫定税率導入へと道路特定財源が確保され続けました。道路特定財源で道路の借金を返済し,この残金を元手にまた借入れて道路をつくるという「道路特定財源の罠」に全国の自治体がはまり込んでいます。

もちろん日本の道路建設の技術は世界最高の質を誇り,自動車関連産業の発展もこれと深く関係していることは当然です。しかし,この道路関係費に食い込まない限り,新しい日本の姿は見えてこないのではないかと思います。

 さて,石川県の道はどうなのか,県内市町からは道路建設・整備の要望は絶えることなく続いています。どこまで道路建設を進めるのでしょうか。

 石川県建設技術協会50年記念誌によれば,昭和33年の県道・国道の改良率は26%,舗装率は5%でした。私は,小学校で「ラケット道路」という名を教わりました。完成は昭和41年です。昭和45年県土改造高速ネットワーク構想が発表され加賀から珠洲まで200kmの新規完成道路建設が計画されました。加賀産業道路,能登海浜道路,能登半島縦貫道,能登大規模農道,柳田・珠洲線,手取川ダム付け替え道路,能登島大橋,珠洲道路と整備は進み,金沢能登2時間・七尾1時間構想も実現しました。

 今や,ラケット道路は,ダブルラダー構想へと変化しています。さて,石川の道はどこまで作り続けるのか,縦横に細かくガットを張った新ラケット道路まで構想するのでしょうか。

 もちろん,南北に長い石川県にとって,加賀・金沢・能登の交流拡大と各地域の発展,車時代の流通や観光振興に大きく寄与してきたことは間違いありませんし,建設業は過疎が進む能登半島や加賀山間部の雇用を守り生活改善に貢献してきたことも事実であります。しかし,石川の道路整備事業そのものを抜本的に見直す時期がきているのではないかと思うのであります。

 まず知事に,日本の,また石川の道路行政についての歴史と今後の行方について所見をうかがっておきたいと思います。

 昨年213日付の朝日新聞朝刊の「声」欄の投書を紹介します。「道路は地方の活力を奪った」という78歳の方の投稿です。房総半島の中ほどにあるこの人の出身地では,昔は町の中心を1本の県道が貫いており,両側の商店街は繁盛していました。ところが,バイパスができたために,酒屋も呉服屋も用品店も眼鏡屋も時計屋も八百屋も魚屋も肉屋も旅館も食堂も売れ行きが激減し,閉店または開店休業となりました。バイパスは中心商店街の混雑を緩和する必要な道路だったのですが,それは町を壊してしまいました。道路が地方の活性化ではなく,衰退・没落につながるということの典型です。という内容のものです。

 わが県でも同じではないのか。バイパスの脇には全国チェーンの大手スーパーや家電量販店・洋品店などが建ち,全国どこにもある同じ光景に遭遇するのです。これをある学者は「ファスト風土」と表現しています。非日常を求めてやってくる観光客には興ざめというほかありません。

 世界にも日本にも,道路整備を拒んだからこそにぎわいを生みだせた地域が多く存在します。高架道路を取り除き暗渠だった川を表に出し,ソウル市民のものへと再生した当時市長のイ・ミョンバク大統領のチョンゲチョン再生事業,歩行者専用道路ネットワーク「ストロイエ」によって人々を町中に呼び戻したデンマークのコペンハーゲン,車を排除した中心街が活気に満ちるブラジルのクリチバ市,道路整備が進まなかったことを逆手に取って成功した静岡県三島市の街づくり,柚子による田舎ブランドで村おこしをする高知県馬路村などです。わが,石川県能登町の農家民宿群「春欄の里」も非日常体験と癒しを求めるグループや修学旅行生がどんどん増加しています。里山景観と地物の食材にたどり着くまでのくねくね道もまた魅力の一つではないかと思います。

 これからは,地域の振興と活性化,観光をはじめとする交流人口の拡大にとって,広い立派な道を増やすよりも,歩きたくなる道,走りたくなる道,遊べる道,道草したくなる道の整備へとシフトさせるという発想が重要ではないかと思います。

 さて,このような観点に立って頭に浮かぶいくつかの道路整備について提案をしてみたいと思います。

 その1は,今,注目される石川の里山・里海の道路のいくつかの舗装をつくりかえ,土の感触を味わえる田舎の道復活プロジェクトをスタートさせてはどうか。

 その2,金沢城公園内のアスファルト舗装の一部を土または砂利道に変えてはどうか。公園とはいえ,お城にアスファルトはミスマッチです。

 その3,椎の木迎賓館,いもり堀整備の後,いもり堀通りおよびアメリカ楓通りを歩行者・自転車専用道にするか,ハンプなどによる自動車スピードを抑制する道路構造へと改良してはどうか。

 もうひとつ,気になっている道があります。それは外環状道路海側幹線の本線のための用地,今は雑草生い茂る延長約10kmの空き地であります。ここに高規格道路を完成させることは本当に必要か,と県民に問えば,10人中9人はいらないとはっきりと答えます。何十年後かの完成をめざし,奇跡的に完成できたとしてもそのころには車の台数は相当に減少しているでしょう。私はこの本線建設計画は凍結すべきだと思います。そして,この用地はどうするか,このまま放置し,ほったらかしの自然を楽しむという手もあるかもしれませんが,ここに太陽光パネルを設置し発電を開始してはどうかという提案です。

 本線部分の面積は,幅33m,延長10kmで約33万m2です。北陸電力が2011年から発電を開始するメガソーラ計画は1か所で23万m2の敷地で発電量は1000kwで一般家庭250軒分,CO2削減効果は年間300tと発表されています。計算では,最大でこの10倍程度の太陽光発電が可能です。100億円程度の建設費が必要ではないかと思われますが,道路であれば本体だけでどの程度の建設費が必要なのでしょうか。

 道路建設のための補助金を得て取得した土地の目的外利用は今のところは法的に問題があると思いますが,これをクリアすることも含め,検討の価値はあると思います。知事ならびに,土木部長の所見を伺います。素人の思い付きが現実となることもあります。数万枚のソーラーパネルの横を電気自動車が走る近未来を想像しながら提案いたします。

 

答弁 知事

 

 第一点は、道路についての御質問がございましたが、道路は最も基礎的な社会資本の一つだというふうに思うわけでありまして、これは古来より人やものの移動とか文化の伝播、こういったものを支え、いわば人類の歴史とともに進展してきた、そんな位置づけができるんだろうというふうに思います。特に我が国では戦後急速に進展しました車社会、これに対応するために緊急かつ計画的に道路整備が進められたわけでありまして、現在の経済大国日本の礎を形成をしてきた、こう申し上げてよかろうかというふうに思います。
 石川県も大変南北に長いという地理的条件を有しておりますので、これを克服していく。そして、県土の均衡ある発展を図るという意味からも道路整備は特に重点的に幹線道路の整備を進めてまいりました。これまでに能登有料道路、あるいは最近では金沢外環状道路の山側幹線、加賀産業開発道路、こういったものが整備されたことにより能登、金沢、加賀を貫く太い背骨が形成をされたわけでありまして、県民生活の利便性あるいは地域経済の発展に大きく我々が想像する以上に寄与してきたものと、このように確信をいたしておるわけでありまして、特に山側幹線など私も最近よく利用しておりますけれども、もう渋滞すら出てきておるという状況でございます。これは交通安全面で大きなまた支障を来しかねない、こんな状況にもありますので今鈴見から北のほうでは四車化の工事を始めておるところでもございます。
 しかしながら、能登半島地震を経験しまして、また安全・安心の観点から災害に強い道路整備の必要性も改めて実感をいたしたところであります。そして、新政権が抱えておられます地域主権とか観光立国ということから考えてみますと引き続き県内企業の国際競争力を高めるために必要な物流を支える道路、これに加えまして北陸新幹線と連携をして観光交流の拡大に資する道路、あるいは景観といった道路の質を高めるためのまちなかの無電柱化、こういった整備も進めていく必要があるわけでございますので、道路というのは一次改良、二次改良、さらには線形改良とか二車線化、四車線化、渋滞解消、地域によってさまざまなレベルでの整備というのがまだニーズとして私はあるんではないかというふうに思うわけでありまして、そういった意味ではゼロか一かという判断ではなしに地域によってどのような道路整備が期待されているか。そういうニーズをくみ上げてまいりますと私はニーズはまだまだ多様だというふうに思うわけでありますね。ある地域によっては幹線道路網の整備は必要だという地域もございますし、ある地域によってはもう電線の無電柱化をどんどん進めてほしい、そんなニーズの高いところもあるわけでありますので、そうした多様なニーズにやはり我々としてはこたえていかざるを得ないということでありますので、今後とも生活道路から幹線道路に至るまで、いわば質の高い道路整備に着実に取り組んでいきたい、こういう考えであります。

 

土木部長

 

石川の道につきまして四点の御質問がございました。
 まず、道路の舗装をやめて土の感触の味わえる田舎の道を復活させてはどうかということでございますけれども、まず県が管理をいたします国道や県道につきましては幹線道路として物流など経済活動や地域間交流を支える必要がありますことから快適な走行性や安全性が求められ、このため一定の強度や平たん性を兼ね備えた舗装とならざるを得ないということをまず御理解をいただきたいと思います。しかしながら、こうした制約がある中におきましても地域振興や観光による交流人口の拡大に向けた歩きたくなる道づくりといたしましてこれまでも山中ゆげ街道や輪島市の河井町横地線など、まちなかの景観に配慮をした歩道舗装を実施をしてきたところでございます。また、道路は車が行き来をするだけではなくて、人が集い交流をする生活空間としての側面もございますことから、石川の守るべき原風景が残る里山里海地区における生活道路につきまして今後御指摘のような土の感触を味わえる道づくりの具体的な提案がございましたら、これは市町とも協力をしながら地域の実情に合った道づくりを支援をしてまいりたいというふうに考えております。
 次に、金沢城公園内のアスファルト舗装を土または砂利に変えてはどうかという御指摘でございます。金沢城公園につきましてはアスファルト舗装となっておりますのはほぼ幹線園路に限定をされておりますけれども、これにつきましては多くの観光客や車いすの方々が利用をいたしますことから快適な歩行性や安全性を最優先としていること、また園内の管理用車両の通路といたしましても耐久性を確保する必要があることなどの理由によりましてアスファルト舗装といたしておりますけれども、ただ城の景観にも配慮をいたしまして自然石風の舗装というふうにしているところであります。
 一方、幹線以外の本丸の森や石垣をめぐる園路につきましては歴史的景観や周辺の自然環境との調和にも配慮をいたしまして砂利舗装あるいは木道というふうにしているところであります。今後ともそれぞれの場所や用途に応じまして各種の舗装を組み合わせるなど、さまざまな工夫に努めてまいりたいというふうに考えております。
 三点目といたしまして、いもり堀通りとアメリカ楓通りに関する御質問がございました。いもり堀通りとアメリカ楓通りにつきましては平日で一日当たり五千台から七千台程度の交通量がございます。したがいまして、現時点では歩行者・自転車専用道路やスピード抑制策を直ちに実施をするということは困難でございますけれども、来春完成予定のしいのき迎賓館やいもり堀の整備に合わせましていもり堀通りの歩道を拡幅するなど歩行者の安全確保や回遊性の向上を図っているところであります。今後は県庁跡地と中央公園や金沢城公園などが一体となって公園的利用がなされるということになりますので、まずは完成後の歩行者の動線がどう変化するのか、また通行規制をした場合の周辺道路に与える影響などにつきまして調査、検討をしてまいりたいというふうに考えております。
 最後に、海側幹線の本線についての御質問がございました。金沢外環状道路海側幹線は国道八号の慢性的な渋滞の緩和や能登、金沢、加賀のさらなる連携強化を図る県土の大動脈として極めて重要な道路でございます。現在、道路ネットワークの早期形成を図る観点から側道部の整備を優先的に進めておりますが、本線部につきましてはこの側道部の交通状況を見きわめながら着工時期を検討をするということにいたしております。
 今後の高速道路の無料化による影響を見きわめる必要があるというふうには考えておりますけれども、昨年度国が公表いたしました新たな交通需要推計に基づく海側幹線本線部の将来交通量は一日当たり最大約五万台が見込まれておりまして、今のところ市街地部の交通渋滞の緩和や周辺生活道路における交通安全の確保の観点からも整備の必要性はまだ高いのではないかというふうに考えております。
 なお、本線部の建設費ということでございますけれども、これまで用地取得済みとなっております白山市乾町から金沢市鞍月までの十・三キロ区間の事業費といたしまして五百七十億円程度とした試算をしているところでございます。
 また、取得済みの道路用地の利活用につきましては本線部着工までの暫定的な利用といたしまして駐車場や公園または仮設店舗等は可能ということになっておりますけれども、御提案の太陽光パネルのように将来の道路事情の支障となるような恒久的なものにつきましては困難ではないかというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。

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