11月12日東京千駄ヶ谷の津田ホールで日本生態系協会が主催する「国際フォーラム・世界が注目する生物の多様性-新しい自治体のあり方-」が開催され,参加しました。
日本生態系協会のフォーラムは「議員のための政策塾」を開催しています。2年前名古屋での政策塾に参加し,生物多様性条約締結国会議について学習をしました。今回は国際フォーラムで,世界のとりくみについて,先進自治体であるドイツのハノーファー市とアメリカのボルダー市の市長が自ら講演を行うということで,興味を持って参加しました。
ドイツのハノーファー市は市全体が庭園であり,その庭は自然と文化を結ぶ接点であるとする考え
で,緑地の保護や公園の整備を進め,美しい町として世界でも有名な都市となっています。
この「整備」とは,決して手を加え続けるというのではなく,粗放的(ほぼ放たらかし)に管理するというものです。草刈も年に1,2回ということです。当初は市民の不満もあったようですが,今ではその野性的な美しさが当たり前になってきたとのことです。
また,街路樹を在来種に変更してきたり,プランターの樹木を市民にレンタルすることも行っています。河川も,護岸を作り変えるなどのとりくみによって2/3が自然を取り戻したそうです。
「庭を考える」ことに市民を巻き込むことで,市内全体が美しい「自然」な庭園となっていくことをめざしています。個人の家の庭作りを奨励し,一般公開を行うことやコンクールの実施も行っています。樹木の里親制度もつくっています。
子どもたちにも庭の文化の楽しさと自然に対する思いを深めてほしいと,「学校生物センター」,「森林体験センター」,「森のステーション」,「子どもの森」などのとりくみをすすめています。
そして,この環境の質の高さが企業誘致の決め手ともなっているということでした。
市長は,市民が快適だと感じていると自信を持って述べていましたが,それがすべての出発点にな
っているのだと思います。
アメリカのボルダー市は,コロラド州デンバーの北,標高1,600mで先にロッキー山脈があります。
市は永久に開発されないまま残される土地「オープンスペース」を設けることで市街地の拡散を防いでいます。そして,この緩衝地帯を維持するための財源を税負担によって支えています。この負担は市民の住民投票によって決められてきました。市民が支持し,負担も行う自然を残すとりくみを行っています。
このように守られてきた自然をもつこの市は,ビジネスをするための最もふさわしい都市と評価され,企業も集まってきています。税負担は高いが,豊かな自然を持つことはステータスとなり,教育レベルも高くなっているということです。この講演でスクリーンに映し出されたスライドの数々のすばらしい自然の姿が何よりもこのことを証明していました。こんな町に住みたいなあと思いました。
そしてもうひとつ,日本の千葉県野田市長の講演です。
国土交通省出身の根本市長が開発より自然を残すとりくみに力を注いでいるのは意外な感じというのは,市長自ら
言われた言葉です。
野田市の南部地区の田園地帯に大手デベロッパーが入り大規模な宅地開発を行おうとしていたところ会社の破たん。さあどうするかということで,田んぼを残して自然との共生の場所にしようととりくみが始まったそうです。水田ビオトープ,自然農法,市民水田など面白そうな活動が行われています。
第3セクターの「野田自然共生ファーム」がその活動を動かしています。年2回の自然保護団体との調整会議で保護団体の言うとおりにやっていたらうまくいきましたと市長が述べらましたが,それだけ信頼されたら,市民もやる気になるはずです。
司会者の草野満代(元NEWS23司会者)さんの顔も見ることができました。フォーラムも大いに満足できる内容でした。首長の考え方は重要です。そして,市民の意識をどう集約していくことができるかで,町の環境は大きく左右されるということもわかりました。議会での提言,県民・市民への発信の視点を得ることができました。

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